半農「あんとう」の感謝から織りなす甘くてなめらかなスイートライフスタイル
高知県南国市出身 野村祐佳さん
市役所職員を辞め、農業を始める。
JA研修施設でパートで働きながら野菜について学んだり、農家に視察に行ったりしているときにアスパラガスに出会う。
およそ5年前の2017年にアスパラ農園Anto Farmを設立。
Antoは阿波弁の「あんとう(ありがとう)」という言葉で、全てに感謝するという気持ちを込めた意味。
アスパラガス「せいくらべ」と名付ける。
今年7月に「とくしま特選ブランド」に認定。
売りに出せないせいくらべや規格外の野菜を使って、他の農家さんとアイスを開発し、マルシェなどのイベントで販売。
今年夏、阿南市福井町にジェラート店ロルトをオープン。
どうして農家をしていますか?
野村さん:実家が兼業農家だったため常に身近に野菜づくりがありました。
そのため農業に惹かれるものがあったのです。
子育てが終わり、生活時間に余裕が出てきた時にテレビ満点青空レストランを見て、残りの時間を農業に使いたいと思いました。
地域に馴染む農業女子仲間で地元活性をしたいと思っています。
現在の生活様式にしようとしたきっかけ
野村さん:子供の成長をきっかけにアスパラ農業を始めました。
子育てをするように育てたアスパラガスを「せいくらべ」と名付けました。
手間ひまかけたアスパラガス「せいくらべ」もキズなどで出荷ができない品が出てしまうのです。「もったいない」と思い他農家さんとの共同でアイスを作りマルシェなどのイベントで販売していました。
そこから「より口あたりがなめらかで、老若男女に食べてもらえるものを」とジェラートを開発。
開発されたアスパラミルクは砂糖を控えめにしていますので、せいくらべの高い糖度を感じるような素材の味が活かされた上品な甘さになりました。
ジェラート屋の建物を2年前に建設。コロナの影響を受け機材の導入が滞り、オープンまでかなりの時間を要しました。
無事、今年夏にプレオープンし9月にグランドオープンしました。
苦労したことは何ですか?
野村さん:徳島はアスパラガスの産地でないのもあり、データも先輩も指導者もいなかったため、最初は何から取り組めば良いのか全くわかりませんでした。全てが手探りでSNSで質問したり、徳島の気候に似た地域の方法を取り入れたりと試行錯誤の毎日でした。
成功もあれば失敗もあり、教えてもらったようにはいかないことが多々あります。まるで子育てのようでした。
暑さや水不足による失敗を重ねて、有機肥料に変えたり土壌検査を行ったりと改良を加えることで糖度が高くて柔らかいアスパラが作れるようになりました。
アスパラガス本来の味を追求するアントファームでは、えぐ味や雑味の元になる化学肥料は一切使用せず、厳選した有機肥料のみを与えています。
やってみて良かったことは何ですか?
野村さん:自分で開発できることの楽しさを感じています。
毎年が勉強なので、試行錯誤して結果がでると本当に楽しいです。
今後やりたいことや展望はありますか?
野村さん:農業を通じて地域活性に繋げたいです。
農業女子の後継者を見つけたいのもあり、これから他の農業女子と色々と活動していきたいと思っています。
これから始めようとする人へのメッセージ
野村さん:何事もチャレンジすることが大事だと思っています。
「自分で見て、行動しよう!」です。